プランや土地が決まったら、次に決める必要があるのが、外壁やキッチンなどの設備・仕様です。設備・仕様は使い勝手と先々のメンテナンスをよく考えて選ぶことも必要です。金額やデザインだけで決めてしまうと後々後悔することも…
賢い、設備・仕様の選び方をこれから紹介します。
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1 壁材編
外壁材は、屋根材と並び、家でもっとも風雨にさらされる場所です。風雨にさらされるということは、もっとも傷みやすく、メンテナンスコストがかかる場所ということです。
外壁を選ぶとき、大半の人が最も興味があることはデザインだと思いますが、それに加えてメンテナンスのことも同時に考える必要があります。
一般的なサイディングについては、前回ご紹介しましたので、今回はその他の外壁材についてご紹介します。
・タイル
タイルは、粘土や石材を細かく砕いたものを焼き固めたもので、材料自体の耐候性や耐久性は非常に優れています。専用金具や専用ボンドなどで下地材に留め付け施工します。
タイルの良さは何といっても、高級感ある質感と耐久性やメンテナンス性です。
一方で、初期コストが非常に高い点や、地震が起こった際の剥離などが欠点としてあげられるでしょう。下地材の劣化が分かりにくく、雨水侵入などによって下地が劣化するなどの問題もありますので、注意が必要です。
見た目の良さは、デザインサイディングなどの模倣商品とは異なり、長期にわたりその美しさを保てます。
・塗り壁
塗り壁は、セメントモルタル塗りと土塗りに分かれます。
セメントモルタル塗りは、塗り方によっていろんな表情を作ることができるため、外観に個性を出したい方などから支持されています。但し、現場で施工するため、職人さんの腕と知識、経験がものをいう世界でもあります。施工によっては、雨漏れやクラックによる構造躯体の腐朽などが懸念されるため、細かな規定の基に施工がなされます。
土塗りは、古くから外壁の材料として使用されてきましたが、最近ではサイディングなどの普及によって、少なくなりつつある外壁材となっています。非常に手間と時間と、職人技が必要ですので、現在ではあまり採用されていません。
初期コストもサイディング以上、タイル未満かかり、塗り替え時期は一般的に短くメンテナンスコストがかかるのも特徴の一つです。
・木貼り
屋内で無垢のひき板を貼る施工はご存じの方も多いと思うのですが、屋外でも使用できます。以前は土壁の保護のために、板を貼ることがされており、古くから残る家で、雨がかかる地面に近い部分に木貼りをするなどといった家を見たことがある方も多いでしょう。木材のため、反りや乾燥収縮が起こるため、ある程度厚みのある材料を使わないと割れが出たりする可能性があります。
趣のある材料ではありますが、メンテナンスが頻繁に必要になります。木材に塗る保護塗料を耐久性のあるものを選ぶ、そもそも木材に雨がかからないような設計にするなどの工夫も必要です。
一部の特殊な製品を除き、防火地域には使用できませんので、注意も必要です。
代表的な天然素材ですので、経年での変化とメンテナンスも楽しみながら使いたい素材です。
外壁材には、デザイン性、初期コスト、メンテナンスコスト、汚れにくさ等たくさんの選ぶポイントがあります。これらを総合的に判断して後悔しない仕様を選ぶことが大切です。