プランや土地が決まったら、次に決める必要があるのが、外壁やキッチンなどの設備・仕様です。設備・仕様は使い勝手と先々のメンテナンスをよく考えて選ぶことも必要です。金額やデザインだけで決めてしまうと後々後悔することも…
賢い、設備・仕様の選び方をこれから紹介します。
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今日は、軒天(のきてん)のお話しです。
軒天とは、住宅の壁面や窓ガラスなどにより外側に出っ張っている屋根部分(一般的に軒といわれる部分)の裏側です。
■軒天の特徴・材質
約20年以上前までは木材の軒天が大半でしたが、近年では、ほとんどが不燃材系の軒天に代わりました。代表的なものにケイカル板(ケイ酸カルシウム板)、セメント板があります。これらは、耐久性、耐火性、耐水性に優れ、表面の色柄も豊富に選ぶことができます。一方、木材系は、天然素材ならではの風情がありますので、純和風建築などで好まれます。防火認定の問題に気を付けて採用しましょう。
■軒天の役割
・外観を整える
軒天がないと、下から覗くと屋根裏の下地材が見えてしまいます。それらを隠す化粧材の役目があります。
・延焼を防ぐ
火災時に窓から炎があがった場合、軒天がなければ防火材が使用されていない屋根裏まで一気に炎があがってしまいます。
これらの大切な役割がある反面、軒天は屋根裏と外気を遮る板ともいえます。軒天があることで屋根裏の換気が不十分になると、雨水などの湿気が屋根裏に残ってしまい構造材を腐食させる原因になります。軒天材は小さな穴のあいた有孔タイプを選ぶか、換気口を取り付けて、屋根裏の通気性に配慮しましょう。
そもそも軒の役割とは…
・外壁の保護
軒があると、外壁上部より屋根が出っ張ることになるので、外壁が太陽光や雨風の影響を受けにくくなり、外壁を保護することになります。
・日差しの調整
夏場には、軒がないと窓ガラスや外壁に直接日光があたることになり、室温が余計に上昇します。冬場は軒があっても日射角度が低いため、日差しを遮ることにはなりませんので、室温が余計に低下することはありません。
・雨除け
通常、軒は窓の上方向にあります。そのため、雨天時には雨除けの役目を果たし、窓からの雨水の吹き込みを防ぎます。
山陰の気候を考えると軒の長さは深い(長い)方がいいのですが、近年、デザイン住宅が多くなったことや、建築制限などで、軒が短いまたは無い住宅が多くなってきています。木造住宅では、軒があるとないとでは、外壁材の耐久性に大きな差が生じます。軒がつけられない場合は、外壁材を耐久性の高いものにする、窓には庇をつけるなどして、対処しましょう。
また軒天は外壁に比べ、耐久性やデザインにこだわる人が少ないのですが、やはり外部に面した部材ですので、傷みやすく、メンテナンスコストもかかる部材です。
後々、コストがかからないように耐久性の高いものを選びましょう。