プランや土地が決まったら、次に決める必要があるのが、外壁やキッチンなどの設備・仕様です。設備・仕様は使い勝手と先々のメンテナンスをよく考えて選ぶことも必要です。金額やデザインだけで決めてしまうと後々後悔することも…
賢い、設備・仕様の選び方をこれから紹介します。
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【窓】
日本の家の断熱性能はとても低いと言われてずいぶん経ちますが、家の断熱性能の約半分は窓で決まる事はご存じですか?
冬場の結露のほとんどは窓にでるので、何となく大事なことはお分かりになると思いますが、夏涼しく、冬暖かい家にするには、他の部分(壁、天井の断熱等)と比べ窓の性能はとても大事です。
これから数回にわたって、住まいの住み心地に大きく影響する窓のご紹介をします。
窓を選ぶ際には、空間に適した配置、大きさやデザイン、ガラスやサッシの素材、性能などを考慮することが大切です。
窓は、一般的にガラスとサッシ(枠)から構成されています。
今回はまず、ガラスの紹介をしたいと思います。
◎ガラス
窓に使用されるガラスは、大きく分けると一般ガラスと機能ガラスの2種類に分ける事が出来ます。その中でもデザインや機能性によって、さらに細かく分かれています。
■一般ガラス
・フロート板ガラス
一般的な平板ガラスのこと。平滑で歪みがなく透視性や採光性に優れています。窓や建具、鏡などに使用されます。
・型板ガラス
ガラスの片面に模様をつけた不透明ガラス。くもりガラスが代表的です。光を通しながら視線を遮るガラスなので、部屋の間仕切り、浴室やトイレなど視線が気になる場所で使用されます。
・網入板ガラス
ガラスの中に金属の膜を入れたもの。ガラスが破損しても破片が飛び散らないようになっています。炎に強く、火災が起こった際は、延焼を防ぐ効果もあります。主に防火地域で使用されます。
■機能ガラス
・複層ガラス
2枚もしくは、3枚のガラスの間に中空層を設け、乾燥空気を封入したガラス。通常のガラスよりも高い断熱効果が得られます。結露しにくく、冷暖房の消費を抑えることができるので、省エネ効果もあります。
羽毛布団と同じで、中の空気が断熱性を生み出します。
更に上位のものになると、ガラスの層の中に空気ではなく、特殊なガスを入れて断熱性を高めている商品もあります。
・高断熱複層ガラス
複層ガラスの室内側に高断熱タイプのLow-Eガラス*を用いたもの。保温性・断熱性に優れています。
・遮熱複層ガラス
複層ガラスの室外側に遮熱タイプのLow-Eガラス*を用いたもの。夏は涼しく冬も暖かいという性能を持つガラス。西日のあたる部屋などに向いています。
*Low-Eガラスとは、表面に特殊な金属膜をコーティングしたガラスです。
「複層ガラス」 LIXILカタログより引用
高断熱複層ガラスと、遮熱ガラスの両方の機能をもったガラスもあり、一般的によく使われます。
ガラスの性能の進化によって、日本の住まいも確実に高断熱化していますが、今の現状は、昔から使われている普通のガラスから、高性能なものまで混ざって販売されていますので注意が必要です。
次回は、ガラスを四方囲むフレーム部分「サッシ」の種類と特長をご紹介します。