プランや土地が決まったら、次に決める必要があるのが、外壁やキッチンなどの設備・仕様です。設備・仕様は使い勝手と先々のメンテナンスをよく考えて選ぶことも必要です。金額やデザインだけで決めてしまうと後々後悔することも…
賢い、設備・仕様の選び方をこれから紹介します。
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今日は、雨樋(あまとい)のお話しです。
雨樋とは、屋根に降った雨を集めて流す装置、設備のことです。
山陰地方での一般的な雨樋の形状は、半円形と角型です。
半円形は、昔からある典型的な雨樋の形状で、築20年以上の住宅は、ほとんどがこの形です。単純な形状のため、価格も少額です。
屋根全体を薄くする和風住宅によくあうデザインです。
角型は、半円形に比べ流水量が多く確保できるため、大雨の時、樋から水があふれにくく安心です。すっきりとした形状は、様々な外観と調和しやすく、最近の主流となっている形状です。
材質は、加工しやすく安価なため、塩化ビニール製が広く普及していますが、雨や太陽光で変色、劣化しやすいデメリットがあります。これらを解消するため、樹脂の表面に太陽光に強い加工をして、耐久性を高めた製品もあります。見た目は塩化ビニールと違いはありません。
その他に、金属製のガルバリウム鋼板のものもあります。
いずれのものを選ぶにしても、山陰の場合、降水量が多く積雪もありますので、流水量が多く積雪にも負けない頑丈で、耐久性に優れたものにしましょう。
有名な建築家の言葉で「神はディディールに宿る」という言葉があります。建築家の思いはディテール(細部)に表われるという意味なのですが、その中でも軒先部分(屋根、破風、雨樋等)は外観の印象を決める上で、非常に重要な部分だと言われています。
見落としがちな雨樋ですが、選ぶ際は、耐久性はもちろん、デザイン性も併せて選びたいですね。
ちなみに、下の写真の家は屋根と雨樋が一体に見えるように、柱の太さ、雨樋の大きさ、屋根勾配等を詳細に設計しています。このデザインをするために、屋根全体の構造も普通の住宅とは違うものになっています。
屋根のおさまりひとつをとっても建築は奥深いですね。