フローリングのお手入れ①
現在の日本の住まいの床材は、掃除がしやすく衛生的なフローリングが主流となっています。でも、これまでの掃除のやり方で本当に十分でしょうか?
今回は、フローリングの正しいお手入れ方法についてご紹介したいと思います。
フローリングには2種類ある
フローリングには大きく2種類あり、それぞれにお手入れの方法が異なります。
一般的な「合板(複合)フローリング」は、薄くむいた原木を接着剤で張り合わせたものです。
「無垢(単層)フローリング」は、独特の風合いから最近人気が高まっています。こちらは無塗装のものから、表面を自然塗料や油分などでコーティングしてあるものまで様々です。
合板(複合)フローリング
日常のお手入れ
フローリングは原材料が木材であるため、水分や洗剤を苦手としているため、掃除機や乾いた雑巾で埃やゴミを掃除するだけで大丈夫です。
濡れ雑巾等で長時間お掃除すると、かえって傷んでしまうことがあるので、過剰な水分は厳禁です。
モップや化学雑巾を使う場合はドライタイプの製品を選びましょう。また、掃除用具を長時間床に放置することは避け、濡れた箇所への使用は変色の恐れがあるため控えてください。
目立つ汚れには
フローリングの隙間に詰まったゴミが気になる場合は、爪楊枝などで傷つかないように丁寧に取り除き、掃除機をかけます。その後固く絞った雑巾で拭き、最後に乾いた雑巾で乾拭きをします。
それでも取れないガンコな汚れは、中性洗剤を薄めて雑巾に含ませたもので拭き掃除をします。シミになる可能性があるので、床に直接洗剤をつける事は避けてください。その後固く絞った雑巾で洗剤を拭き取り、乾拭きで仕上げます。
過剰な水分は床板の反りや軋み、割れの原因となるので、水拭きの際には必ず固く絞った雑巾を使うように注意しましょう。
また、中性洗剤以外の洗剤や薬品のついた掃除用具の使用は変色の原因にもなるので、使用を避けてください。
シミを避けるため、スプレータイプの住宅用洗剤を使う場合には直接床に使うのではなく、必ず雑巾に含ませてから拭くようにしてください。
濡れた状態のフローリングは傷みやすいので、拭き掃除の際は換気を徹底して乾燥しやすい状態で行いましょう。
小さなキズや凹み
目立たないくらいの小さなキズや凹みなら、ホームセンターで手に入る専用の補修材である程度目立たなくなります。床材や塗料によって対応できる製品が異なりますので、購入前にご確認ください。
補修材では対応できない場合やキズがひどい場合には、当社までお気軽にご相談ください。
ワックスがけ
日常のお手入れは上述のとおりですが、新築当時の美しさを保つなら、さらに半年に1回程度のワックスがけがおすすめです。すこし面倒にも感じますが、正しいワックスがけをすることで、下記のような効果が期待できます。
・キズや汚れを防止する
フローリングの表面をワックスの膜が覆うことでクッションの役目を果たし、キズや汚れの防止になります。
・日々の掃除が楽になる
フローリングとホコリ・ゴミの間にワックスの層があるため、軽い拭き掃除でも綺麗になります。
・美観を保つ
床材表面の凸凹や小さなキズをワックスが埋めてくれるため、光沢が出て見映えが美しくなります。
ワックスがけのサイクル
ワックスは1回塗ったら終わりではありません。半年に1回は上塗りをして、5年に1回は専用のハクリ剤で古いワックスを剥がして塗り直す、というサイクルで維持していくことが重要です。
ワックス塗りの際は、液体タイプなら床面に規定量を垂らし、専用のワイパーや布で薄くムラなく広げます。フローリングの板目に沿って塗るようにすると、綺麗に広がります。
その後20~30分を目安に乾燥させ、乾いたら2度塗りして再度乾燥させます。しっかり乾かすと綺麗に仕上がるので、天気の良い日に行うと良いでしょう。
最近のフローリングはワックスフリーのものがあり、その種の商品を選ばれた方は目に見えて、ワックスが落ちてくるまでワックスがけの必要はありません。詳しくは施工店までお問い合わせください。
ワックスがけの注意点
・しっかり乾燥させるため、気温の低い日や湿気の高い日は避けて行う。
・ムラになる可能性があるため、床に直射日光が当たらないよう、カーテンを閉めて行う。
・乾燥するまでは窓やドアを閉めておく。乾燥したら、しっかりと換気を行う。
・掃除機がけ、洗剤拭き、水拭き、乾拭き、乾燥の後にワックスを塗るという順序を守る。
無垢(単層)フローリング
基本的には掃除機とから拭きのお手入れとなり、頑固な汚れの場合は固く絞った雑巾で素早く拭き取ります。
無垢材の場合、合板よりも水に弱いものが多く、シミや変色の原因となってしまうので、水をこぼした場合はすぐに拭きとるように日頃から心掛けてください。
また、ワックスがけは素材や塗装の状態(ウレタン塗装、自然塗装、無塗装など)により適した方法が異なり、誤った使用でムラが出来てしまう場合がありますので、必ずメーカーや施工店に相談するようにしましょう。
無垢の風合いを生かすにはウレタン塗装より無塗装が一番ですが、無塗装はシミや汚れが付きやすく注意が必要です。
ウレタン塗装と無塗装の中間の自然塗装のワックスもありますので検討してみて下さい。
自然塗装の中にも風合いがよりでるもの、長持ちするもの、自分の好きな色を足せるもの等いろいろな種類があるので合わせて相談してみるとよいでしょう。
いかがでしたか?日々のお掃除はもちろんですが、定期的なワックスがけをすることで、新築当時の美しいフローリングを長く保つことができます。一度もやったことがないという方は、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
次回は、傷みが目立ってきたフローリングの張り替えリフォームについてご紹介いたします。