建具のお手入れ〜室内編〜①

最近、扉の締まりが悪いな・・なんて感じることはありませんか?室内であっても、普段のお手入れを怠ると建具の機能や美しさは低下してしまいます。

今回の記事では、室内建具の正しいお手入れ方法についてご紹介いたします。

室内建具のお手入れについて

室内の建具は、扉、障子、ふすま、押入れ、クローゼットに至るまで、木材や紙が素材として使われていることが多いため、出来る限り水を使った掃除は避けるべきです。

また、建具の故障の中で特に多いのが反りによるものです。季節や冷暖房、部屋間の温度差・湿度差によって、木材に反りや捻じれが発生してしまい、建付が悪く感じたり、隙間ができたりすることがあります。早めに対処することで補修の手間も少なくて済みますので、普段のお掃除の際に併せてチェックするようにしましょう。

気を付けていても少なからず反りは発生してしまうのですが、新築後1年間はなるべく各部屋を均等に換気することである程度の予防になります。

室内扉

普段のお掃除は、表面のホコリをハタキなどで払って、乾拭きをする程度で十分です。引戸の場合は、レールの溝に溜まったゴミやホコリを掃除機で吸い取ってください。

手垢や落ちにくい汚れは、中性洗剤をお湯で薄め、固く絞って拭き取ります。その後、洗剤を落とすために再度固く絞った雑巾で拭き、最後に乾拭きをします。

ドアガラスは、ガラスクリーナーを柔らかい布につけて拭くか、メガネのレンズ拭きクロス等を使いましょう。

ドアノブやレバーハンドルは、中性洗剤を薄めたもので拭き、その後、水拭きします。

また、扉の開け閉めを軽くするために、月に1回程度は引戸のレール部分と蝶番に防サビ潤滑剤(シリコンスプレー)を吹きつけ、何度か開け閉めして馴染ませるのが効果的です。

潤滑剤は必ず、専用のものをお使いください。それ以外の油等を使うとほこりが固まり逆効果です。潤滑剤がない場合は、鉛筆の芯を削ると代用できます。

それでも、開け閉めが固い場合や、がたつく場合はドアの調整機能を使うか部品交換で対応します。

押入れ・クローゼット

押入れやクローゼットは密閉された空間なので湿気が溜まりやすい場所です。収納物を守るためにも、晴れた日にはできるだけ扉を開けて通気を取るようにしましょう。

また、湿気を防ぐために、すのこを敷いておくのも効果的です。

障子

障子の白さを保つために大事なことは、ホコリが付着していない状態にしておくことです。ホコリを放っておくと湿気を吸ってシミの原因となります。

普段のお掃除では、静電気でホコリを吸着するタイプのナイロン製のハタキやダスターを使って、ホコリを払うようにしましょう。

塗料を塗っていない木材部分のお手入れは、水分が付着しないように注意して、乾拭きだけで済ませましょう。手垢などの汚れがついた場合は、市販の白木用漂白剤を使って軽く拭き、その後に固く絞った布で漂白剤が残らないように拭き取ります。

また、白木用のワックスを塗っておくことで汚れが防げます。ワックスを塗る際は、天気の良い日に必ず窓を空けて換気をしながら行ってください。

ふすま

ふすま紙を長持ちさせるためには、部屋の換気をこまめに行い、ふすま紙から湿気を放出させること、さらにホコリを落とした状態を保つことが大切です。

普段のお掃除は、障子と同じ方法で、表面のホコリをこまめに払うようにします。敷居のゴミや敷居とふすまの間に挟まったゴミは、竹串や楊枝などで丁寧に取り除きましょう。

枠や引き手が汚れたら、中性洗剤をお湯で薄めたもので拭き、その後に固く絞った布で拭き取り、最後に乾拭きをしましょう。引き手まわりの手垢などの汚れは、柔らかい消しゴムで優しく擦ってみてください。

また、ふすま紙を張替えた際に、引き手まわりに防水スプレーをかけておくと汚れが付きにくくなり、汚れが拭き取りやすくなります。

注意点として、湿度の高い時期に部屋を閉め切っていると、湿気を吸ったふすま紙にカビが生えることがあります。逆に、ふすまを開けっ放しにして放置しておくと、重なって前面になったふすま紙ばかりが日焼けしてしまいます。こまめに開閉するようにしましょう。

室内の建具は、雨風にさらされることこそありませんが、いつの間にか汚れてしまいます。

ホコリと湿気が大敵と心掛け、日頃のお掃除の際に建付のチェックも併せて行うことで、長く快適に使用できますよ!