建具のお手入れ〜外部編〜①
前回の記事では、室内建具のお手入れについて見ていきました。今回は、玄関や雨戸など、外部建具のお手入れについてご紹介いたします。
外部建具のお手入れについて
室内の建具と違い、玄関ドア、アルミサッシ、雨戸、網戸などの外部建具は常に雨風にさらされています。
そのため、台風の季節や雨・雪の降った際には、汚れがひどくならない内に、まめなお掃除やお手入れを心掛けることが、綺麗に長持ちさせる秘訣となります。
玄関扉
屋外に面しており、汚れやホコリが付きやすい場所です。毎日目にする場所であるため、清潔に快適に保ちたいところです。雨や強風の後には、汚れがひどくなります。特に扉の下部は、水や泥がはねてこびり付きやすいため、念入りに拭き取りましょう。
ドアに重いものを引っ掛けたりしていると、ドアが軋んで丁番を壊す原因になりますので注意してください。また、泥除けのためにドアの下に板や紙などを挟んでいると、ドアを持ち上げる無理な力が加わり、丁番やドアクローザーを傷めてしまいます。
木製ドア
基本は、柔らかい布で乾拭きしましょう。それでも落ちない頑固な汚れは、中性洗剤をお湯で薄めたものをしみこませて固く絞った布で汚れを落とし、その後乾拭きで仕上げます。
アルミ製・鋼製ドア
中性洗剤をお湯で薄めたものを浸した柔らかい布やスポンジで汚れを落とし、その後水拭きします。研磨剤の使用はキズの原因となりますので、使用を避けてください。
引戸・格子戸
レールの溝にゴミや砂、小石が溜まると扉の開閉に支障をきたしますので、日頃から掃き掃除で綺麗にしておきましょう。格子戸の格子の隅や溝の掃除には、使い古しの歯ブラシなどを利用すると便利です。
アルミサッシ
アルミサッシに付着した汚れを放置していると、表面にポツポツとシミのようなものが出てきます。これは「ピット」というアルミのサビで、放っておくと少しずつ腐食して中々取れなくなるので、見つけたら早めの処理を心掛けましょう。
ピットが出来てしまった場合は、目の細かいサンドペーパーか、金属磨きをつけた布で優しく擦り落とします。その後カーワックスを布につけ、薄くのばして塗り込んでおきます。
腐食が進んでしまった場合は、サビをよく落として、ウレタン塗料を塗って乾燥させておきます。また、サッシ枠に傷がついてしまったら、同色のクレバスやマーカーを塗り、その上からワックスをかければ目立たなくなります。
ガラス
普段の掃除ではホコリを取り除くことを意識します。月に1回程度、中性洗剤で拭き、その後乾拭きをしましょう。
アルミ窓枠
アルミは傷つきやすいため、優しく取り扱うようにしてください。はたき掛けで表面のホコリを落としたら、雑巾で軽く拭きましょう。
汚れが目立ってきたら、中性洗剤をつけたスポンジで拭き取り、十分な水洗いをした後、乾いた布で水分をしっかりと拭き取ってください。研磨剤やアルカリ性、酸性、塩素系の洗剤などは、傷や変色の原因になりますので使用を避けてください。
レール部
レールの溝に砂やホコリがたまると開閉に支障をきたします。掃除機である程度吸い取ったら、使い古しの歯ブラシなどで丁寧に砂やホコリを取り除きましょう。
開閉が重くなったら、戸車に市販の潤滑油を吹き付けておくと効果的です。傷により腐食してサビが出た場合は、台所用クレンザーや市販のステンレス用清掃薬剤で落としましょう。馴染ませるのが効果的です。
潤滑油は必ず、専用のものをお使いください。それ以外の油等を使うとほこりが固まり逆効果です。
潤滑剤がない場合は、鉛筆の芯を削ると代用できます。鉛筆の芯は、鍵穴にも有効です。
それでも、開け閉めが固い場合や、がたつく場合はドアの調整機能を使うか部品交換で対応します。
雨戸・網戸
敷居に砂やゴミがたまると開閉に支障をきたします。また、網戸のホコリを放っておくと次第に網目が目詰まりし、風通しや採光が悪くなってきますので、こまめなお掃除を心掛けてください。
雨戸
中性洗剤をお湯で薄めたもので拭いた後、水拭きで洗剤を落とします。
海沿いの地域では、海水の塩分の影響でサビが発生しやすいので、金属製の雨戸を使っている場合には、日頃からこまめに表面を乾拭きしましょう。金属製のものには、さらにカーワックスを掛けると美しさが保たれます。
網戸
普段のお掃除では、はたき掛けしてゴミやホコリを落とし、網目の詰まりを防ぎましょう。さらに、網戸の片面に古新聞や段ボールなどを当て、反対側から掃除機をかけると、ホコリを簡単に吸い取れます。
可動式の網戸は時々外して、網戸を横にして水洗いをすると汚れがよく落ちます。
汚れがひどい場合には、中性洗剤を薄めたものを含ませたブラシやスポンジなどで、網の両面から軽く叩くようにして拭くと簡単に汚れが落とせます。最後に水洗いをしてしっかり陰干ししましょう。
網の部分を雑巾などでゴシゴシ拭くと、網の張りがなくなり、伸びてしまいます。網戸を拭く時には、軽い力で叩くように拭くのがポイントです。
折りたたみ式の網戸
最近では、アコーディオン式に開閉する折りたたみ式の網戸が使われることも多くなっています。このタイプの網戸は、必要な時だけ網戸を引き出して使用し、使用しない時はコンパクトに収納することができるので、網の劣化を防ぎ長持ちするだけでなく、汚れも少なくて済みます。
お手入れは、柔らかい刷毛などでホコリを取り掃除機で吸い取るか、片面に紙を当てて、反対側から柔らかい刷毛で上から下へ動かすと、網を傷めずにお手入れできます。油汚れがついてしまったら、片面に新聞紙を貼って、反対側から霧吹きなどで中性洗剤を薄めた液をスプレーして、少し時間を置いてから水をスプレーします。
スチームで汚れを落とす方法は、網の劣化を早めるので避けましょう。
シャッター
表面に付いたゴミ、ホコリ、砂、雨水などは、シミや腐食、作動不良の原因になりますので、定期的にお掃除しましょう。
下部の水切り部やガイドレールの内部はつねに清掃し、異物が詰まっていないかチェックするようにしてください。異物があると作動不良や破損する場合がありますので注意しましょう。
雨や雪の後は、すぐにシャッターを上げると水滴がシャッターの内面まで付着します。内面は乾燥しづらく腐食の原因になりますので、シャッターを一度下げて内面・外面をよく拭いておきましょう。
いかがでしたか?今回は2回に渡って建具のお手入れについてご紹介してきました。
建具の開閉や機能に支障をきたすと、日々の生活の中で少しづつストレスが溜まってしまいますよね。快適な生活のためにも、補修が必要になる前にこまめなお掃除とチェックを心掛けましょう!