建具のお手入れ〜外部編〜②
外部建具の老朽化や破損は、住宅の美観を損ねるだけでなく、日々の生活の快適性や安全性に直結します。
今回の記事では、玄関ドアやサッシなど外部建具のリフォームについてご紹介します。
玄関ドアのリフォームについて
玄関はいわば住宅の顔です。色褪せて古くなったドアや玄関照明を新しくするだけでも、家の表情は明るく変化します。
防犯上の理由からも玄関ドアの破損は絶対に放置しないこと、家族やゲストが日々出入りすることを意識し、心地良い環境にリフォームしましょう。
玄関ドア交換のポイント
玄関ドアを交換するリフォームをする場合、好みのデザインや家全体のイメージにあった玄関ドアを選びますよね。
でも、デザイン性以外にもチェックすべきポイントがあります。
既存のドアと同じサイズで
玄関ドアを交換する場合には、既存のドアと同じサイズでの交換が基本となります。サイズの違うドアと交換する場合、間口サイズ自体を変更する必要があるため、工期が長くなり費用も高くなります。
断熱性をチェック
家に帰宅した時、玄関が寒いと感じる方は要チェックです。開け閉めをしていなくても、玄関ドアからは常に熱が逃げています。
そこで重要なのが、断熱性能が高い玄関ドアを選ぶことです。ドア本体だけでなく、ガラス部分にも断熱タイプの複層ガラスや合わせガラスなどを使用したものを選ぶと良いでしょう。
防犯性をチェック
泥棒の進入経路は、一戸建て住宅のおよそ15%が玄関ドアからの侵入という統計があります。そのため、玄関ドアの防犯性はとても重要といえます。
最近の住宅では防犯性能の高いディンプルキーやウェーブキーなどが主流となっています。
また、鍵の開け閉めが簡単に行えるカードキーやリモコンキーといったタイプも発売されており、使い勝手も向上していますので、検討してみると良いでしょう。
防火性をチェック
お住まいの地域が、防火地域や準防火地域に指定されている場合には、延焼の恐れのある開口部には防火戸の設置が義務付けられています。
必ず住宅防火戸仕様のドアを設置しましょう。
工期と費用
毎日出入りする玄関ですから、工期が長くなると生活に不都合が生じてきます。そのため、現在主流となっている、工期の短いカバー工法でのリフォームがおすすめです。
カバー工法とは、既存のドアを取り外して、既存のドア枠の上から新しい玄関ドアを枠ごと取り付ける工法です。
メリットはなんといっても、工期が短いことです。カバー工法では基本的に外壁工事や内装工事が必要とならないので、最短半日〜1日で玄関ドアの交換リフォームが完了します。
気になる費用ですが、玄関ドア本体の価格+工事費で約25〜50万円程度が目安となってきます。性能の高いドアを選んだ場合や、開き戸から引き戸へ変更する場合などには、費用が高くなってきます。
サッシのリフォームについて
今の家が、冬場寒い、結露がひどい等、お困り事がありましたらサッシのリフォームがおすすめです。
家の断熱性能の約半分はサッシの性能で決まります。
サッシ交換のポイント
サッシ交換の際には、以下の機能面から検討することが快適な空間造りのポイントとなります。
・断熱性能…夏涼しく、冬暖かくなります。
・耐風圧性能…暴風雨にもより耐えられるようになります。
・防音性能…外部の騒音を遮断します。
・防犯性能…補助ロック機能のあるものなら、更に安心です。
機能面を重視する場合には、次のような選択肢もあります。
二重サッシ
外壁に面したサッシの室内側にもう一つつけるサッシです。防音性能(気密性)、断熱性が向上し、結露の緩和にも繋がります。
デメリットとしては、サッシが二重になるので窓を開け換気したり出入りしたりする際にサッシを2枚開閉する手間がかかります。
今ついているサッシを交換する場合サッシ枠も交換する必要があるため、多くの場合、外壁も同時に直す必要がでてきます。
二重サッシの場合、室内側にプラスしてつけるので、外壁を直す必要がなくサッシの交換より安い費用でできます。
断熱ガラス
サッシのガラスをより高機能のガラスに取り替える事で断熱性の向上や結露の緩和を図ります。二重サッシと比べ、ガラスの交換だけなのでほとんどのサッシに対応が可能で、工事も簡単で済みます。
工期と費用
一般的なサッシの交換費用は、サッシのサイズや性能により異なりますので一概には言えませんが、家一軒を二重サッシにすると約30〜100万円程度かかります。
建具の健康状態は日々の生活に直結します!
外部と接する建具の気密性能や断熱性能を高めることは、快適な室内空間を維持することに直結します。月々の冷暖房費の節約にも繋がりますので、経済的な面でも、老朽化した建具はリフォームを検討しましょう。
また玄関ドアを新しくすると、家の表情がガラッと変わりますので、人を呼ぶのが楽しみになるかもしれませんね!